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香港 TransLantau2018 100kmを走ってきた! [ランニング登山]



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2018年3月2日にスタートする、香港のランタオ島で開催されたTransLantau 2018の100km部門に参加してきました。

事前情報は少ないですが、いくつか香港で開催されている長距離の大会の中で最もトレイル率が高そうなものを選びました。
英国領時代から整備されているだけあって確かによく整備された山道でした。

金曜日のお昼に香港に入って同じ日の23:30にスタートです。
特に前日入りするような日程でもないので入るのを当日にしました。
といっても羽田空港からの飛行機が早朝6時台の飛行機だったので木曜日の夜に空港に行って寝たので楽とはいえない工程でした。
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ところで今回の香港はトラブルの連続でとても良い経験ができました。
香港到着後、海外でいつもするようにクレジットカードのキャッシングで現地通貨を引き出そうとATMで操作します。
と、カードが弾かれてしまいます。
他の銀行のATMでも試してみますが同様にだめです。
私はメインで楽天カードを使用しているのですが、この日はなんとシステムトラブルでカード決済、キャッシング等が使えないことが判明。
一瞬頭が真っ白になりました。
なにせ現金をほとんど所持しておらず日本円の7000円のみ!
これは困った・・・
とりあえず6000円を香港ドルに両替440HKDを確保
交通ICカードのオクトパスカードは既にネットで購入済で現地で受け取るだけですが、チャージが50HKDからの為、泣く泣く50HKDを消費。
あとは現地4泊のうち前半の2泊は現金のみの支払いの為、これで300HKDを消費で残りはなんと90HKD(約1300円)。
でも、とりあえずこれでスタート地点までたどり着く算段はつきました。
走っている間に復旧することを祈るしかありません。
走る時間の予想は24時間なのでその間はエイドの食事や飲み物があるので凌げそうです。
ということでずっとお金の心配しながら走ることに・・・。

会場には船でいき、スタート3時間前に到着。
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会場も空いていて受付も簡単に終了。
気温20℃くらいあって暖かいので近くのベンチで横になって体力を温存します。
ちなみにお金がないので空港に到着してから12時間ほどほとんど何も食べていない状態。
仕方ないので最初のエイドまでゆっくり行ってハンガーノックだけはならないようにして、エイドでいっぱい食べて食いつなぐ作戦です。


会場には集まったのは600人くらいでしょうか
23:30にスタート
とにかくゆっくり入ります。
と、ヘッドライトがつかない!
これは焦りました。
宿についてからも点灯は確認していたので何も疑っていませんでした。
一応ルールもあるし、予備のライトは持っていましたができれば使いたくないライトなんですよね。
わずかに下に漏れる光があって長時間使ってると目が痛くなるし、ちょっとメインのライトに比べると暗いので。
どうやら断線のよう。
手でコード部分を握り締めながらだと点灯できることがわかったのでとりあえず手で持って進みます。
これは次のエイドで再度ライトの確認をしてだめならリタイアしようと思いました。
最初のほうは道が舗装されたところだったのでとりあえず最初のエイドまではなんとか到着。

が、チェックしていなかった自分が悪いのですが最初のエイドには飲み物のみ。
といっても水も買えなかったので、がっかりしながらも水をたっぷり詰め込みます。
暑いので水も死活問題
続いてライトを確認
ライトの電池ボックスや電池接触部分を念入りに確認
特に見える部分の異常はない。
やはりコード部分のようです。
点灯できる握り方を探り、再度点灯

次のエイドは19km
もうお金と食べ物のことしか考えられない状態(笑
あまりコースのことも覚えていません。
これはいけませんね
いつも念頭においている楽しく怪我なく完走
さすがに今回は楽しくが半減しています。
が、仕方ありません。まずは生存しなければ・・・

思いの外、空腹感は感じずになんとかCP2に到着
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ここまではあまりアップダウンもなかったので助かりました。
片っ端から食べます。オレンジ、サラミ、ピーナッツジャムやラズベリージャムのサンドイッチ
あまりいっぱい食べられないので各CPごとに区切って考えて、これだけ食べられれば10kmは走れるなという感じでCPごとに食べていきます。
ただし、お腹が常に満たされた状態で走ることになるので全体的にあまり頑張ってスピードを上げないようにはしました。
気持ち悪くなったりしたらもう回復不能になることも考えられ、これ以上は負担を増やせません。
ここで食べ物を食べられたことで食べ物の心配は消えました。
一応、心配なのでエナジージェルもいくつかもらって、スニッカーズもあったのでこれも一掴みもらっていきます。

ここまでまだ真っ暗です。
CP2(19km)で確か5時は過ぎていたと思います。
日の出が6:40くらい
6時になれば少し明るくなるかと思っていましたが直前まで真っ暗でした。
そういえばトイレですが、台湾も同様でしたが主催者で設置しているトイレはありません。
高低図にはトイレマークがありますが、これらは全て途中にある公共のトイレです。
しかも山の中のものなので綺麗ではありません。

CP3に向かう途中でようやく明るくなり始め、手に持つ状態のライトから開放されます。
ここから12時間くらいはライトの心配はしないで済みます。
ただ、間違いなく日中にはゴールできないので日が沈む前につく最後のエイドで再度点灯できるか確認できなければリタイアすることを決めて食料に続いて2つ目の心配事であるライトのことを頭から消すことができました。
あとはお金のことだけ(笑
これは結局最後まで頭から離れませんでしたね・・・。

CP3(30km)を超えて最大の高低差であるLantauPeakを超えていきます。
高度こそ934mと低いのですが、ほぼ0m地点まで下ってからの登り返しなので一気に900m登ります。
天候は気温こそ高いですが、霧が発生しており見通しがかなり悪いです。
島っぽい天候のようですね。
島の山は風、霧の状態がかなり多いです。
香港はいくつかの島で構成されていますが、どれも大きくしかも世界的に見て大都会なのであまり島を意識することはなかったですが、山の上では島を感じます。
最初はかなり容易な路面の山道でしたが、このあたりに来ると普通の登山道。
風が強いのと潮風の影響なのか植物の背丈は低く、そういう意味では進みやすいです。
ただし、岩がかなりごろごろとしていて総合的には割と歩きづらい部類かもしれません。
ビブラム香港は階段が非常に多いと聞きますが、こちらも階段は多いものの観光客の多い山道に多いだけで、それ以外はあまり階段はありませんでした。
個人的には階段は少ないほうが良かったので助かります。
階段は下りの衝撃が強いので好きではないです。

途中で装備チェックもありました。
この時はサバイバルブランケットと携帯電話
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水牛さんもいます。
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最大のピークを超えて海へ向かって落ちていきます。
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登った900mを下るのでなかなか膝への負担が大きいです。
最後のほうは段差の大きな階段がひたすら続くので時々止まって疲労を開放しつつ下ります。
ちなみに登りの方はきつくて止まって休むことは一度もありませんでした。
それなりにきついとは思いますが体感ではせいぜい10%くらいの斜度。
途中、Ngon Pingというところで高層ビルを背にロープウェイの駅に向かって登る階段だけはかなりの斜度でしたが30分もあれば攻略できるので力まかせに上り切れます。
比較的登りの方が強いのもありますが、あまり心配する必要はないと思います。

海が見えると一気に爽快なコースになります。
この頃には高度が下がっていることもあり、天候も晴れ
気温も25度を超えていると思います。

CP6のある港町(TAIO 57km)のようなところまで降りていきます。
ここは香港の外れで離島の雰囲気がします。
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都会の香港が嘘のような静けさです。
学校にCPが設置されており、大きなトイレもあり顔洗ったりしてリフレッシュします。
この頃になるとCPの食事も豊富でカップラーメンも毎エイドあるのでここでも2杯、サンドイッチやその他もいっぱい食べておきます。
かなり暑かったので日陰でゆっくりしていました。
この辺のコースは集落の間を縫うように設定されており、ちょっと興味深いコースでした。
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観光客はちらほらいるのですが、あまり多くの人が訪れる場所ではなさそうです。
こういうところにもいけるのがこうした大会の魅力の1つだと感じます。

この辺りは対岸に空港がある場所でその海辺をひたすら進みます。
平坦なハイキング用の道なので走って時間を稼ぎたいところですが暑くてそれどころではなかったです。
こういうところ頑張れば1時間くらいすぐに縮まるんですけどね。

再び登山道の入り口。
ここからは急登なのはすぐにわかったのであまり躊躇わずにすぐに登りにかかります。
何人かは入り口で登りに備えてなのか休んでいましたね。
ここは上空をロープウェイが走っています。
物好きだけがその下にある階段を登ります(笑
割と一般のお客さんもいました。
上空からはロープウェイの中から漏れる笑い声などが聞こえてきます。
ここは日陰もなく、斜度もきつく、階段の段差もきついので途中で多くの選手が小休止していました。
私は比較的余裕があったので止まらずにしかも背後の山に囲まれた高層ビルに海という香港にしかないような景色を楽しみながら登ることができました。

この辺では心配事がお金だけになって精神的な余裕も生まれていたので景色を楽しんでそれを記憶できる状態になっていたのは幸いです。
ここはまさに階段地獄
徹頭徹尾階段
尾根筋に到着した後も階段
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たぶん1000段はあると思います。

CP8(87.5km)にまだ明るいうちに到着
ここでライトの調子を再度確認して進むか止めるか決めます。
既に予備電池に入れ替えてあるのでこれがきれれば予備のライトを使うしかありません。
ここで点灯しやすい握り方をマスターできたので進むことを決意
ここでもカップラーメンやらサンドイッチでお腹を満たします。
この頃になるとちょっと補給が追いつかなくなってきている印象で食べているのに空腹感が出てきました。

いよいよ最後のSUNSET PEAKへ向かいます。
500mほどの一気に登ります。
ここは前半で登ったLantauPeakやその他の山と非常に似た感じで同じ山を登っている感じでした。
また霧が濃くなってきて風も強くなってきます。雨も少しですが降ってきました。
下界はかなり暖かく、標高も800m前後しかないのになかなか厳しい状況でした。
登りはまだまだ元気。

登り切った後、ぐるっと回りこみますが開けているところがいくつかあって既に暗闇になっており、かつ霧の中では迷う危険がありそうです。
ここでのマーキングはLEDライトが設置されていますが、それでも濃霧なので注意する必要がありました。
ようやく下りに差し掛かり、なんとか完走が見えてきました。
ここら辺はものすごく眠くなり、ある程度の集団で進んでいたのですが意図的に離れました。
異国の山中で霧と暗闇の中で不安になりますが、ついていくとあまり考えなくて良いので余計に眠くなるんですよね。
で、一人になっても眠かったのですけどね(笑
なので一人になったので大声で歌いながら進みました。
多少は違いますが眠い・・・
段々下りの斜度がきつくなってきていよいよ下界を感じます。
階段に変わり、温存したお陰で下りの足もまだまだ残っているようなので走って勢いよくいきます。
先行させた集団は階段の下りがかなりきつい状態になっているようで蟹歩きになっている人多数。

最後のエイドに到着
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この時も雨、風、霧でエイドでは低体温症と思われる人が担架でサバイバルブランケットでぐるぐる巻きにされていました。
最後のエイドなのでゆっくり味わって滞在したかったですが、風を避けるところがなく身体が冷える一方なので残念ですが早めに出発。
雨具に着替えるのがよさそうですが、森の中に入ると雨にあまり濡れずに風も弱くなるので返って暑すぎるんですよね。
この辺は香港の天候を考えて行動する必要がある場面だと思いました。

最後の最後まで未舗装のトレイルがコースに設定されています。
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静かな誰もいない斜面から静かなランタオ島を見下ろす瞬間、この大会を一番味わえた瞬間かもしれません。
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中心部の華やかさとは無縁な静かな香港
この大会は一般的にイメージする香港とは全く違う魅力の香港を感じられるものだと思います。

25時間23分かけて完走することができました。
今回も怪我なく楽しく(いつもより50%減)完走!


旅の経費
エントリー費用 1680HKD(約23000円。終了後に返金されるGPSデポジット300HKD含む)
飛行機 羽田-香港往復 17000円弱 (香港エクスプレス金曜日早朝羽田発、水曜日早朝羽田着)
宿 前半2泊(ほぼ荷物置き場の為ドミトリー 300HKD) 後半2泊 418HKD(個室バストイレ付の快適な個室部屋。香港島中心部。ただし窓なし)
香港内のアクセス 空港から宿はバス 宿から会場までの地下鉄と船 全て往復で約100HKD(約1400円)

パノラマ 9.JPG
パノラマ 6.JPGパノラマ 7.JPG
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