SSブログ

2019 アイガーウルトラトレイル100km部門に参加!(Eiger Ultra Trail E101)(スイス) [トレイルラン]



スポンサーリンク




2019年7月20日 スイス、グリンデルバルトにて開催されたアイガー・ウルトラ・トレイル(Eiger Ultra Trail)の100km部門を走ってきました。
P_20190718_181733.jpg

月曜日からスイスに滞在しているので時差ボケなどはなし。(7/15-7/21の旅程)
今回、アイガーウルトラトレイルで一番心配していたのは高度と気温(寒さ)。
結果的にはどちらもうまく対応できました。
高度は3日前から会場のあるグリンデルバルトに入っていたのですが、この土地の高度がそもそも1000mあり、滞在しているだけである程度順応できます。
泊まった宿は少し高いところで1200m程度でした。
P_20190717_172724.jpg
(宿の部屋とベランダから見える景色)
P_20190717_174333.jpg
P_20190718_062854_PN.jpg
さらに高度順応ついでに観光でユングフラウ・ヨッホという登山鉄道でいける標高3450mにある駅にいきました。
駅といっても単に駅があるだけでなく、氷河をハイキングできたりスキーをしたりすることができる場所があります。
そこで2,3時間の雪上ハイキングをしたり、全体で6時間以上歩き回ったのでかなり高度に慣れたと思います。
P1130112.JPG

スタートは7/20の土曜日午前4時

宿もランナー割引があるなど大会に積極的なところで朝食もこの日は特別に午前2時半から提供されます。
パンやヨーグルトなどいつもの朝食で大変助かりました。
宿から会場のある駅前までは1.5km近くありますが、深夜でバスもないのでアップがてらゆっくり歩いて向かいます。

会場は盛り上がっています。
P_20190720_032805.jpg
50kmと100kmは同時スタートなの1000人以上が集まっているはず。
月明かりがアイガーを照らしています。
P1130141.JPG
いよいよスタート。
1時間ほど走っていると夜が明けてきます。
見晴らしの良い牧場の中を走っていきます。(冬はスキー場みたいですね)
最初に谷筋を抜ける時は道が狭いところがあり、ほんの少し渋滞しましたがその後は基本的に道が広いので渋滞はありませんでした。

月と巨大な山々が素敵です。
P_20190720_053031.jpg

と同時に今度は朝日が山を照らし出します。
P1130147.JPG
P1130149.JPG

素晴らしい景色です。
開始早々から夢のような景色。

カウベルでの応援がすごいなぁ、と思っていると牛がつけた本物のカウベルが鳴っているだけ、ということが多々ありました(笑)
P1130157.JPG
P1130152.JPG
P1130159.JPGP1130160.JPG


ここは写真で見て楽しみにしていたフィルスト展望台エイドのある崖っぷちの通路。
P1130165.JPG
P1130166.JPGP1130168.JPG
股間がゾクゾクします。
ものすごく揺れます!
エイドが展望台などに設置されているところが多く、どこも抜群の眺望。
天気も文句なし!
このエイドでは早速空腹の兆候があったのでオレンジやバナナを多めに摂取。
P1130169.JPG
P_20190720_074209.jpgP1130170.JPGP1130171.JPG

展望台なのとまだ始まったばかりで選手もばらけておらず混雑しているのであまり長居せずに出発。
ここからの区間の景色が一番気に入りました。
バッハ湖という湖と雪が多く残る区間、そして高度も高いので高度感も抜群。
夢の中で走っているかのような感覚
足の疲労とか不調がないかとか気にしていることを一切忘れて見とれてしまいます。
今度来るときはゆっくり歩いて周りたいものです。
P1130174.JPG
P1130177.JPGP1130181.JPGP1130182.JPGP1130183.JPG
あっという間に次のエイド
ちなみにこの大会はエイドが10個程度あり、特に後半においては数kmおきにあります。
ここのエイドは牛舎。こんなエイドは初めてなので面白かったです。
P1130185.JPG


高山植物がとてもきれいです。
P1130187.JPG
P1130188.JPG
遠くを見ても近くを見ても素晴らしい光景の連続。
しかし、次のエイドはコース上最高地点の2680m。
景色は素晴らしいのですが、さすがにここまで高度が上がってくるときついです。
高度的に最も心配していた部分ですが酸欠気味で体が動かないのはきついですが、なんとかパワーウォークで歩けるだけの元気はありました。
しかし、山があまりにも大きく、進んだ感じがしないのが辛かったです。
それでもなんとか山頂に到着。
P1130190.JPG
P_20190720_100658.jpgP_20190720_100703.jpgP_20190720_101520.jpgP_20190720_101538.jpg

ここに到着してさえしまえば、心配事の1つの高度は消えます。
高度が最も高い区間だけにこれだけ晴れていても雪が多く、油断できません。
それと景色が素晴らしいのでよそ見が多くなりますが、雪と同時にガれた下りになるので慎重になるべき区間でもありました。
それでもこの景色、見逃してはならないのも事実。
あまり走ることばかりに注力せず、この絶景区間は頻繁に立ち止まって景色を堪能すべし!
実際、私もあまりにももったいなさすぎて何度か立ち止まって写真撮ったり眺めたりしていました。
P1130197.JPG
P1130199.JPGP1130200.JPGP1130201.JPGP1130202.JPGP1130203.JPGP1130204.JPGP1130207.JPG


最高到達地点から降りてきてようやく一息つける場所でエイドが設置されています。
長居はしませんでしたが、今走ってきた道を思い出してゆっくりとスポーツドリンクで補給。
P1130208.JPG
P_20190720_112047.jpg

途中途中でよく見かける光景ですが、犬もいっしょにハイキングしていました。
P_20190720_112051.jpg
ペットとのハイキングは非常に多いですね。
日本でも見かけますが比ではないです。
私も憧れます。

さて、一息ついたのも束の間、最高地点からの下りはまだまだ続き、なんとコース上の最低標高とほぼ同じ高度まで下ります。
1600mをほぼ一気に下ってきています。
下りが最も膝を始めとした足への疲労が大きいので負担がかからないように工夫しながら下ります。


一番下まで着く前にもう一回エイドです。
なんとここで少し調子がおかしい兆候を感じます。
P_20190720_124808.jpg
高度も下げてきて気温も一気に上昇していますが(この日の最高気温は25℃)体温が上がらない感じです。
かといってあまり食欲もない。
皆、かなり暑そうでシャワーの水を頭からかけていますが、とてもそんな気になりません。
ハンガーノックの兆候なのか熱中症なのか考えてもあまりピンときませんが、ともかくこのまま出るのは危ない気がしたので日陰で座ってじっとします。
高山病の兆候が遅れてやってきていたのかもしれません。
軽い吐き気もあったような気がするので。
まだ50km手前ですがリタイアも考えました。
動くのも億劫になってきましたが、地図を確認し次のエイドはドロップバックの預けてあるエイドで距離も10kmないようなので少しだけ体調が落ち着いた瞬間を見計らって出発。

頑張らないように最小限の力で次のエイドを目指し、なんとか到着。
P_20190720_141103.jpg
P1130219.JPGP1130220.JPGP_20190720_141756.jpg
多少よくなったものの、このまま続けるのが危険に感じられます。
ここの大きなエイドで再び充分な時間をとって、補給や休憩に努めます。
スパゲティも提供されていたので頂きます。
エイドは基本的にパンが多く、喉が渇きそうとか食べにくそうなものが多くあまり食べていなかったので助かります。
ソースはトマトソースかミートソースが選べます。
スパゲティは食べられたのは唯一このエイドのみでした。

量もしっかり食べられておいしかったです。
食後も少し休んで道具の再点検などをしているうちに体調が戻ってきているようでした。
それとともにやる気も出てきました。
現在53km地点。
まだまだ先は長いので油断はできませんが出発!
(結局この後、体調は絶好調を最後まで維持・・・)


これまたあっという間に次のエイドのある街、ウェンゲンに到着。
P1130223.JPG
P_20190720_164025.jpg
街に入ってから少し並走したドイツ人男性がこの街は基本的に車の乗り入れができないと教えてくれました。
確かに一台も走っていません。
静かな雰囲気で遊びにきてみたいですね。
このエイドには日本人の方がボランティアに参加していて安心感を覚えました。
調子がよくなってきたこともあり、補給とトイレだけ済ませて3分くらいぼーっとしてから出発。
ここから再び急登です。
森に入った直後は奥多摩と同じような風景で懐かしさがありました(笑)
P1130225.JPG
高度を上げていくとウェンゲンの街と背後の巨大な谷の圧倒的な風景。
P_20190720_175001.jpg
P1130227.JPG
まるで風の谷です。
振り返った景色は素晴らしいのですが、登っている山を見上げると恐ろしいくらい上まで人が見えます。
しかも暑い・・・
18時ですが、ちょうど最高気温がこの時間にくるんですよね。
日没は21時過ぎで22時近くまでは明るいという日本から考えるとかなり特殊な状況。
この山を登るのに2回は休憩入れました。
距離的には3kmとかそんなものしかないはず・・・。
写真を撮る気にもならない坂、山・・・
ようやく尾根に出るとここもエイドでした。
P_20190720_183112.jpg
P1130231.JPG
距離的にはさっきのウェンゲンから5kmくらいしかありません(笑)
それでもかなりきつい登りだったので助かります。
ここも標高は2000mを超えていて風が出てきて、さっきまでの暑さが急に冷えます。
どっかと腰を下ろしてまたまた休憩。
60km付近まで進んできました。
休んでいると救護テントの方では震えの止まらない男性が点滴を受けています。
そのうち座っていることもままならなくなり、救護班の人にエマージャンシーシートでぐるぐる巻きにされていました。
一方、私の隣に座った男性、いきなり嘔吐。
皆さんかなり過酷な状況のようです。
一方、私はすっかり体調不良はどこかに飛んでいき、疲労はあるもののやる気は充分。
足も心肺もばっちり。
少し日没を意識する時間帯になってきたので明るいうちに進んでおきます。
久しぶりに走れる牧場コース。というかスキー場。

グリンデルバルト周辺の冬の光景を思う浮かべるとスキーしに来てみたくなりますね。
レンタルスキーとリフトの料金がわかれば現実的に検討できそうです。

さて、陽が傾き始めた風景を眺めながら進みます。
P1130232.JPG
この後はもうそれほど大きな山場はありません。
足の調子もまずまずでここまで転倒や捻挫も皆無。


明るいうちにクライネ・シャイデック駅のエイドに到着。
P_20190720_203940.jpg
P_20190720_204032.jpg
これは前々日にユングフラウヨッホに行くときに乗り換えた駅なので覚えています。
ここのエイドは車庫がエイドになっています。
特徴あるエイドが多くて面白いです。
ちょうどこの辺りで日没直前で気温も急低下。
20℃は切ってきていたのではないかと思います。
肌寒くなってきたなぁと思ったところで到着し、中に入ると少し暖かくて安心。
暖かいところで休んで暖かいスープを補給したら体も温まってきます。
どこのエイドでも暖かいものとしてはコンソメスープ、ハーブティあたりが主でした。
暖かい飲み物がないエイドも結構ありますが半分程度にエイドにはあったと思います。

ちなみに心配事その2の気温ですが深夜にいる標高にもよりますが今回はせいぜい15℃を下回る程度。
車庫のエイドのあたりで体が燃焼しなくなったのと日没で気温急低下した際に再度点火するために一時的(30分程度)に上着をきましたが、その他は動けていたので半そで(中にドライメッシュ着用)短パンで手袋もしなくて大丈夫でした。
ただ、雨や風が少しあるだけで体感10℃に程度にはせまると思います。
それに疲労や燃焼不足が重なると相当寒く感じられる展開は十分に考えられます。
というか今回の天候が良すぎたのだと思います。

この車庫で78km。
完走を意識しました。
それでもまだ20kmあります。
これからは暗くなるし油断大敵。
気を引き締めて出発。

22時頃ヘッドライトを点灯。
暗くてよく見えませんがアイガーの中腹を走っています。
山からの雪解け水がところどころで流れていて、もうすぐ終わるレースのことを考えると寂しくなりその水を何度も飲みました。
足元はガれているようです。
いつの間にかガレ場を抜け、街の灯りが見える道を走っていました。
あそこまで降りればきっとゴールが近いはずだ。
P1130233.JPG
疲れを忘れて走ります。
しかし、意外と遠い。
途中に何度か短いトレイルとエイドを挟みようやくグリンデルバルトの街へ!
P_20190721_002525.jpg
P_20190720_230405.jpg
P1130234.JPG
深夜にも関わらず、わずかながら応援してくれている人もいました。
本場ヨーロッパで大人気の大会とはいえ、さすがに深夜1時半ではゴールもひっそりとしていましたが、それでも喜びと安堵と共にゴール。
P_20190721_014644.jpg
ゴールした時には気付かず、後日写真を見て知ったのですが、ゴールの電光掲示板には自分の名前が表示されるという演出もあります。

本当に素晴らしいコース、体験でした。
数年前に知り、ずっと走ってみたいと思っていた憧れの大会でした。
この素晴らしい大会、コース、景色をうまく言葉にすることができません。
本当にありがとうございます。
今回は先着で約3万人のアクセスがあり、その中で600人ほどのエントリー枠に滑り込むことができた幸運。(来年からは抽選になります。)
怪我無く楽しく完走できたこと、感謝することばかりです。
この大会、また走りたいです。

完走率
75.6% 完走501人(男431 女70) 途中リタイア161人(男136 女25)
日本人と思われる完走者は男11人 女2人

旅の費用
飛行機 114000円
往路:成田-オランダ-チューリッヒ(KLMオランダ)
復路:チューリッヒ-フランス-羽田(エール・フランス)

宿(6泊) 61500円
チューリッヒ2泊 16500円
グリンデルバルト4泊 45000円

食費 10000円
外食は1回のみ(1食3000円くらいかかる)
ほとんどスーパーで済ませたのとグリンデルバルトは朝食付き

交通費 31000円
スイス・ハーフフェアカード13500円
グリンデルバルト-ユングフラウヨッホ往復 12000円
チューリッヒ-グリンデルバルト往復 5500円(携帯アプリからの早目の予約で安い)

大会エントリー費用 23000円

計 239500円 (スイスフラン 対円レート109円前後)

完走率約65%
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。